MENU

能古島から小戸公園まで直線距離1.5㎞!なぜ水難事故が!?地図で解説!

2025年5月29日午後5時ごろ、
「能古島(のこのしま)から小戸まで泳いで渡ると遠泳を始めた友人が、まだ泳ぎ着かない」
と通報がありました。
行方が分からなくなったのは20代の男性で、海上保安部や消防などが出動して付近を捜索したところ、約1時間後に長垂海水浴場の沖約300メートルの海上で発見され救助されましたが、死亡が確認されました。

能古島から小戸の位置関係、泳いでいけるのか?事故の原因は?同じ場所で発生した事故情報などをお届けします。

目次(タップで読みたい場所にジャンプ)

能古島から目的地の位置関係と発見場所

報道によると亡くなった男性は、「能古島公民館付近の砂浜」から「福岡市西区小戸公園」まで泳ごうとしました。
また発見されたのは「長垂海水浴場の沖約300メートルの海上」との事です。
この3地点の位置関係を地図で確認しましょう

直線距離としては約1.4㎞ですが、実際は西に約3㎞ほど流されてしまっています。
出発地点から目的地方向を向くと、対岸の街並みは見えて近いようにも見えますね。
水深は5~6mと言われているこの距離を、泳ぐのは無謀だったのでしょうか?

地元の学校で行われる「遠泳行事」がある

実は、地元の小・中学校でこの区間を遠泳する「伝統行事」があります。
ある記事によれば、この行事は1991年から30年以上にわたって行われています。
この行事に参加する生徒は約1か月間プールで練習し、その水泳技術によってグループ分けのうえ参加。
もちろん、漁船やボートなどに乗った介助の先生方に見守られながら、安全に配慮して行われています

引用:能古島の歩き方<今日の島暮らし>

それでも発生してしまった2024年の事故

2024年7月18日の市立能古中学校の遠泳大会で、死亡事故が発生してしまいました。
亡くなったのは、ボランティアで市立能古中の遠泳大会の補助をしていた医療事務の男性(50)で、病院に搬送されたが死亡が確認された。溺死でした。

海保などによると、小戸公園から能古島まで約1.5キロを生徒に伴って泳いでいたが、ゴールまで600メートルの付近でうつぶせ状態で浮いているのが見つかった。

市教育委員会によると、男性は10年以上前から遠泳大会にボランティアで参加し、当日の健康状態に問題はなかったとしています

*当時のオンラインニュース記事(朝日新聞)

なぜ海で泳いでいる際に事故が起きてしまうのか?

海難事故が起きる主な理由は多岐にわたりますが、特に「海で泳いでいる時」に限定すると、以下のような要因が関係しています。自然環境のリスク人的要因・判断ミス、そして認識不足の3つに大きく分類できます。
以下、それぞれを深掘りして解説します。

1. 自然環境による危険

海の環境は非常に変わりやすく、陸から見ているだけでは危険を察知できないことが多いです。

● 離岸流(リップカレント)

  • 概要:海岸から沖に向かって流れる非常に強い流れ。特にサーフビーチでよく発生。
  • 危険性気づかないうちに流され、戻ろうと逆らって泳ぐと疲労して溺れるケースが多い。
  • 対処法:横に泳いで流れから抜け出す、もしくは浮いて救助を待つ。

● 高波・うねり

  • 概要:風や地形によって急に高くなる波。波の裏側にいると見えにくい。
  • 危険性バランスを崩して転倒、水中に巻き込まれる、岸に打ち付けられることも。

● 潮の満ち引き(潮汐)

  • 概要:時間帯によって海の深さが変わる。
  • 危険性遠浅の海でも突然深くなったり、沖に向かって流されるリスクがある。

2. 人的要因・判断ミス

● 泳力の過信

  • 概要:自分の泳ぐ力を過大評価して遠くまで行ってしまう。
  • 危険性戻れなくなったり、体力の消耗で溺れる可能性。

● 酒気帯び・疲労状態での遊泳

  • 概要:酔っていたり、疲れた状態で泳ぐ。
  • 危険性判断力の低下、筋力の低下、急な体調変化による溺水。

● 一人での遊泳

  • 概要:監視や連絡手段のない状態で泳ぐ。
  • 危険性事故時に助けを呼べない。

3. 認識不足・情報収集不足

● 海の地形・潮流の知識不足

  • 概要:地元の人やライフセーバーが知っている危険地帯(岩場、急深)が分からない。
  • 危険性知らずに危険エリアに入ってしまう。

● 気象・海象の確認不足

  • 概要:出発前に天気・波の高さを確認していない。
  • 危険性急な天候変化による事故。

● 安全装備の不備

  • 概要:浮き具や目立つ服装がない、連絡手段がない。
  • 危険性溺れても発見が遅れる、助けが呼べない。

4. 特に子どもに関する注意点

  • 子どもは急な潮流や水中でのパニックに弱く、泳げる子でも事故が多いです。
  • 保護者が「すぐ近くにいた」としても、数秒で水中に沈むケースがあります。

海難事故の連絡先は118番

海難発生時など救助要請が必要な際には、「いつ」、「どこで」、「なにがあった」など簡潔に落ち着いて118番に通報してください。

まとめ

亡くなった男性は、地元の方のようです。
もしかしたら、小中学生の時にこの区間の遠泳に参加経験があったのかもしれません。
しかし、海で泳ぐことはプールで泳ぐこととは全く違います。
どれほど泳ぎが得意でも、「海は甘く見てはいけない」という意識が非常に大切です。
自然を尊重し、知識と準備を持って海に臨むことで事故は大幅に防ぐことができます。

\シェアしていただけると励みになります/
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

屋根裏ののぞき穴から芸能・テレビ・SNSのよしなしごとを、傍観し一つに綴り、読者諸君にお届け仕る所存でございます。

目次(タップで読みたい場所にジャンプ)