試合前後、スポーツ選手がファンと交流する姿は、たびたび目にします。
それが、小さな子供たちの場合は、観ているこちらの胸が熱くなることも。
そんな交流の場が、ある一人の人物により台無しにされました。
今回は、その事件の内容と、意外な結末を迎えた後日談まで!
事件の現場
トラブルは2025年8月28日、テニス全米オープンの男子シングルス2回戦終了後におきました。
この試合で勝利を収めた、カミル・マイクシャク選手(ポーランド)がその喜びを胸に、ファンのサインに応じていました。
その流れである少年ファンに、被っていた帽子をプレゼント、…しようとしたところ隣に立っていた中年男性に強奪されてしまったのです。
少年は「それは僕のだよ!」と言いたげに右手を伸ばすものの、男性はフル無視。
そそくさと知り合いの女性のカバンに帽子を隠し入れたその様子はもちろん多くの人に目撃され、ネットで大騒動になりました。
加速する「犯人」特定作業
動画が世界に拡散されてしまうと、次はこの「犯人」は何者なのか?という興味と、その人物特定ですよね。
その蛮行とその後の悪びれない表情がバッチリ記録されてしまった、この男性。
結果、「ポーランドの道路舗装会社CEOでは?」との噂がまことしやかに囁かれるには、そう時間はかかりませんでした。
ポーランドの舗装会社DrogbrukのCEOピオトル・シュチェレク氏への批判
帽子を手に入れた人物は、ポーランドの舗装会社DrogbrukのCEOピオトル・シュチェレク(Piotr Szczerek)氏とついに特定されました。
そして彼だけでなく、会社へも批判が殺到したようです。
それに対して、
「一部の人が気に入らないのは理解するが、帽子をめぐって世界的な騒動にするべきではない。ただの帽子だ」と述べた。
さらに「公人への侮辱は法的責任を伴う。攻撃的なコメントや中傷は法的措置を検討する」と強調した。
との報道もありましたが、こちらは確認はとれませんでした。
しかし、批判に対して本人のSNSで謝罪に追い込まれたのは事実です。
本人Facebook上での謝罪文
皆さま、本日は私の不適切な行為について釈明と謝罪のため、この場に立たせていただきます。
先日、USオープンにおけるカミル・マイクシャク選手の試合中に、私の軽率な行動により、少年とそのご家族、そして多くのファンの皆さま、さらには選手ご本人を深く傷つけ、失望させる結果となりました。心よりお詫び申し上げます。
当時、勝利の喜びに包まれた観客席の中で、私は帽子が自分の方に手渡されていると錯覚し、息子たちのための記念品だと思い込みました。その誤った認識のまま、反射的に手を伸ばしてしまったのです。その結果、少年から記念の品を意図的に奪ったかのような振る舞いとなり、多くの方々の心を傷つけてしまいました。決してそのような意図はありませんでしたが、行為の結果が重大であったことを厳粛に受け止めております。
すでに帽子は少年にお渡しし、ご家族には直接謝罪いたしました。しかしながら、このことで完全に償えるものではなく、取り返しのつかない過ちを犯したことを深く反省しております。
また、明確に申し上げます。私も妻も息子たちも、この件について一切SNSやインターネット上で発言しておりません。さらに、弁護士事務所など外部機関の関与もございません。現在出回っている、私たちの名をかたった声明や投稿は、すべて虚偽であります。
私はこれまで妻と共に、子どもたちや若いアスリートの支援活動に取り組んでまいりました。しかし今回の件で、わずかな油断や軽率な行動が、長年の努力や信頼を一瞬で失わせてしまうことを痛感いたしました。これは私にとって痛烈でありながら必要な教訓です。今後は、子どもや若者の支援活動、そして暴力や誹謗中傷をなくす取り組みに、より一層真摯に関わってまいります。失われた信頼を回復する道は、言葉ではなく行動をもって示すしかないと考えております。
改めて、少年とそのご家族、カミル・マイクシャク選手、そしてすべてのファンの皆さまに、深く、深くお詫び申し上げます。
なお、家族を守るため、本件に関する私の発表に対するコメント機能は停止させていただいております。ご理解を賜れますと幸いです。
―― ピオトル・シュチェレク
【ChatGPTによる翻訳】

この事件の後日談
マイクシャク選手の動き
マイクシャク選手は、現場では「少年が帽子をとられた」事には気づかなかったようです。
が、状況を把握すると自身のSNSを通じて「みんな、試合にいたこの少年を見つけるのを手伝ってくれないかな。もし自分だ(もしくはこれを見たご両親)ということであればDMを送ってください」と呼びかけました。
改めてプレゼントを贈った。
2025年8月30日、自身のInstagramストーリーズに、
「今日はウォームアップの後に素敵なミーティングがあった」と書き込み帽子の絵文字に「これがわかる?」とつづった。
遂にマイクシャク選手はあの少年と再会を果たし、彼にに全米オープンのロゴ入りバッグを手渡すことが出来ました。
中には新しい帽子などの贈り物が入っていたそうです。

まとめ
ひとつの帽子がきっかけで、まったく評価が分かれた2人の大人。
日本国内でも、子供に渡るはずのファンサービスが大人に奪われて、騒動になった事もありました。
大人としては、冷静に子供たちの夢を育てる行動をとりたいですね。